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2005年01月03日

●マーケティング

 昨年、ペンシルバニア大学ウォートンスクールのテキスト売り場で『ベンチャー企業論』の教科書を買った。
 
 アメリカでは日本の何倍もの数のベンチャー企業が生まれており、ベンチャービジネスに関する事例やデータも豊富だ。

 その本の中で一番強く主張されていたのは、倒産したベンチャー企業の80%以上の失敗の主な要因が「マーケティング」にあるとのこと。
 
 世間一般的に事業の倒産というと、資金調達である「ファイナンス」面にスポットが当てられる傾向にあるが、それは自動車でいうとガソリンであり、問題は「どういう目的地にどのようにして、いかに速くたどり着くか」ということが重要になってくる。
 
 ガソリンが潤沢でも、進むべき方向が間違っていたり、たとえ方向が合っていたとしてもスピードが遅ければ目的地にたどり着く前に燃料切れになってしまう。つまりガソリンである資金を使って、さらに多くの利益をあげながら永続的に事業を行っていくことが企業体の目的なのだ。
 
 昨秋、尾関さんに借りた 『エスキモーが氷を買うとき』 という本は米国NBAなどのスポーツチーム経営を立て直したマーケティングの権威者が書いた本で、その中にいいことが書かれていた。
 
 「プロスポーツはお客さんからお金をもらっているのであって、つまりお客さんを楽しませるエンターテイメントでなければならない」ということ。 
 
 利益の源泉となるお客さんにどうやってチケットを買ってもらい、そして満足してもらい、リピーターになってもらうかが大切なことであって、そのための「動機づけ」となるマーケティング、そして、そのためのキーである選手のモチベーションをあげるためのマーケティングが重要。

 更には、将来的にいい選手に来てもらうために相手チームを設備や食事でもてなすなど他チーム選手へのマーケティング、また顧客視点に立ってお客さんが相手チームの選手を見たくてチケットを買うのであれば相手チームの選手をプロモーションしてチケットを買ってもらうといった型破りなマーケティングまで、色々な事例を交えて理論を展開している良書であった。
 
 こうした色々な施策も全ては、『いかにしてお客さんにファンになってもらい永続的に来てもらうか』ということが目的であり、マーケティングのゴールはそこにあると思う。
 
 最近の分かりやすい事例ではプロ野球の新庄選手。この人はファンを魅了させる真のプロスポーツ選手であると思う。彼のおかげで球場入場者数が劇的に増加して、チケット販売増収の日本ハムファイターズは新庄選手に5,000万円の特別ボーナスを支給したらしい。
 
 また、サッカーJリーグの浦和レッズは、従来「ファン」「応援団」と呼ばれた彼らを日本で初めて「サポーター」と名付け、3人一組のグループであればチーム公認の「サポーター」として登録できるシステムを作りこれがJリーグ最多の観客動員の大きな基礎となっている。2004年の収入はJ屈指の54億(うち入場料収入20億円)。
 
 『いかにしてお客さんにファンになってもらい永続的に来てもらうか』、マーケティングの方法に決まった形も正解もなく、そのことさえ忘れなければ立派なマーケティングと成り得るのだと思う。
 
 2005年、マーケティング頑張ろう。
 
 
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 と、黒川温泉の岩風呂につかりながら、そういうことを考えていた。
 
 

 
 
 黒川温泉は祖父母宅から車で40分くらいの距離にあるので昔からよく来ていた。昔は田舎にある普通の温泉地で今ほど有名ではなかったのに、それが今や日本屈指の温泉地となってしまった。
 
 その成功要因になったのがやはりマーケティングで、お客さんが何を求めて温泉地を訪れるかを考えて、そのニーズに応えた結果だと思う。
 
①俗世を離れた桃源郷ではないが、日常を忘れさせてくれる景観。黒川温泉は建物が全て古風なデザインに統一されていて、一つの世界を作り上げている。
 
②「せっかく来たので色々な温泉旅館のお風呂に入りたい」というニーズに応えるために、考案された 『入湯手形』 という制度。これで異なる3つの温泉旅館で入浴が可能。
 
 


 
 
 風呂に入ったのは 『山河』 という温泉旅館。
 
 ここで受けた意外なサービスが「遠くから来さったけん、お代はいいよ」と入浴料を無料にしてくれたこと。
 
 このサービスだけで、
 
①次に黒川温泉に来た時にはこの 『山河』 に泊まってしまう。
 
②嬉しかったのでクチコミしてしまう(このblogのように)。
 
 旅館からすれば地下から湧き出る温泉に無料で入浴させるくらい大したコストではないにも関わらず、「顧客の獲得」そして「宣伝」まで成功してしまったことになる。
 
 黒川温泉のマーケティング力、おそるべし。

  
 
 湯上がり後は 『味処なか』 で昼食。
 
 ここの「とんかつ定食」のとんかつは普通の店の3倍くらいある。が、湯上がりにとんかつを食べる気がしなかったので「なか六角弁当」(1900円)と共にビールを頂く。 
 
 

 
 「なか六角弁当」(うなぎ御飯/馬刺し/天ぷら/鮎塩焼き/だご汁)
 
 
 
 帰宅後、祖父が猟で獲ってきた猪(いのしし)でシシ鍋、そしてまたもやビール。田舎に住むと美食家になってしまいそうな気がする。
 
 夜23:59大分港発のフェリーで横浜へ。
 
 また祖父母に曾孫を見せに来たいと思う。

 しかし、本当の目的は美味しい食べ物ですが。
 

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